tabenyanのブログ

寝ても起きても、食べるの大好き。何と言われても、好きだから仕方がないんです。

スガキヤラーメン

 スガキヤと聞いて甘酸っぱいような懐かしさを覚えるのは、ある一定以上の年齢の方かもしれない。今も店舗はあるけれど、昔よりずっと数がすくなくなっていると思うのは気のせいだろうか。
 小さい頃、近くのショッピングセンターにスガキヤの店舗があり、よく行ったものだ。価格も安く、いつも店の前には行列ができていて、母の買い物につきあってへとへとになったお昼時、スガキヤ寿がきや)いこうか、という母の言葉に喜んで行列の最後尾に並んだのを覚えている。
 ある日、並んだ行列、あと一人というところでなかなか順番が回ってこない。食べる人が見えるカウンター式の店舗、ならんだすぐ目の前で食べる若い女性が、スガキヤ特有のフォークのぎざぎざがついたスプーンの上に、丁寧にラーメンを一本ずつ乗せて食べているのが見える。ぐうぐうなるおなかを押さえながら、嗅覚と視覚だけが鋭くなった状況で、倒れそうになりながら、はやく食べてくれないかなあと待っていたあの瞬間が今でも忘れられない。
 このところあまり見かけない(私の家の近所に?)スガキヤ店舗だけれど、最近、遠出した先で実店舗を見つけた。お値段は比較的安価。出てきた小ぶりの器に入ったラーメンは、白っぽいスープで和風のだしっぽいにおいが漂う。どきどきしながらひとすくいすると、昔と変わらないほっとする優しい味が口に広がった。パンチも隠し味もない、ストレートな普通ラーメン、なかなかいい。ただ、量は少な目で、大人なら余裕でもう一杯いけそうだ。
 中部地方へ行ったとき、スーパーの棚を見ると、スガキヤブランドの乾麺をちらほらと見かけた。それが写真の物。食べてしまうのがもったいない。とっておきの時間に、ゆっくりと味わって食べようと思っている。